10mmコンビネーションレンチ
プラスドライバー


\500

フューエルコックガスケット
お口にやさしいやわらか歯ブラシ
場合によりよく洗った一升瓶×必要な本数



 ここが詰まると高回転域でガス欠のような症状になることがあるようです。メンテサイクルは3000km毎です。 タンクの燃料が少ないときを見計らってやるとかなり楽になります。
 作業自体は難しくはありませんが、後でコックから燃料がもれるとえらい目にあうので確実な作業と確認が大切です。


 最初にタンクを外します。(タンクはずし)


 タンクに燃料がいっぱい入っている場合はコックを「PRI」の位置にすると燃料が流れ出てきますので一升瓶に燃料をすべてあけます。
 燃料が非常に少ない場合はタンクの前方を下にして傷をつけないように気をつけながら壁に立て掛けてしまえば 燃料を抜かずに作業できます。
 タンク裏側を見ると燃料コック本体がありますので固定しているネジを10mmコンビネーションレンチで外し、 サイドカバーを外側に広げながらコックを外します。


 燃料コックを外すと内部に網でできたフィルターがありますので歯ブラシでゴミを掃除します。
 くれぐれも網を破らないよう注意しましょう。

 フィルター清掃は以上で終了ですが、負圧コック不良の場合、以下の作業で負圧バルブを点検します。


 燃料コックを裏返すと、負圧バルブを固定する4本のビスが見えます。これらをプラスドライバーで外します。


 負圧ホースを取り付ける側を引っ張れば分解できます。写真は左が負圧ホース接続側の部品でダイヤフラムとバルブがついてます。 右は燃料コック本体です。
 負圧コックの作動原理は極簡単です。まず、燃料コック側は燃料通路途中にバルブを差し込めるようになっており、バルブが 差し込まれた状態で燃料がとまるようになってます。一方、負圧ホース接続側の部品はダイヤフラムがついており、ダイヤフラムの 頂点にはバルブがついています。ダイヤフラムはちょうど運搬用の緩衝材(子供の頃、ぷちぷちつぶして遊んだあれです。)のような 構造となっており、裏の金属部(負圧ホース接続側部品)には穴があいていて、そこに負圧ホースがついてます。エンジン停止状態では ダイヤフラムは膨らんだ状態となっており、バルブも燃料通路に差し込まれ、ガソリンはバルブでせき止められるため流れません。 エンジン作動状態では負圧ホースを介してエンジン負圧(空気を吸い込む力)がダイヤフラムにかかるため、ダイヤフラムはしぼみます。 結果、バルブも連動して燃料通路から引き抜かれ、ガソリンが流れます。
 負圧コックが作動しなくなる原因は様々です。エンジンをかけてもガソリンが流れなくなる原因としては、コック内部のガソリン通路が つまる、もしくはダイヤフラムが破けてバルブが通路に差し込まれたままになっている、負圧ホースが接続されていない、負圧ホースの 不良で負圧が正しく伝わっていない、などが考えられます。通路がつまっている場合は分解して清掃すれば直りますが、その前に フィルターがあるためケースとしては少ないでしょう。ダイヤフラムがやぶけている場合はこの部分だけでの部品供給がないため、 コック交換となります。ホースが接続されていない場合は接続、劣化の場合は交換で直ります。
 ガソリンが止まらなくなる原因としては、バルブ部のOリングの不良、ダイヤフラムが一時的にしぼんだままの状態になっている、 などが考えられます。Oリングの不良の場合、スズキからは単品での部品供給はありませんが、同じサイズのOリングで代用できますので 入手して交換、一時的にしぼんでいるだけならばバルブ部を軽く引っ張ってふくらんだ状態に戻せば回復することもあります。負圧が かからなくてもしぼむような癖がついてしまっているようなら単体では部品供給がないのでやはりコックごと交換となります。

 おわったらコックを組み立て、コックのタンクとの接触面にガスケットがありますのでガスケットを交換し元通り燃料コックを取り付け、 タンクを積んで終了です。

初回作成 2000/08/12
最終更新 2002/08/14