16mmプラグレンチ(必要に応じてエクステンションバー、ラチェットハンドル等)
10mmコンビネーションレンチ


\3000

NGKスパークプラグ(CR8E)(4)



 はっきりいって大変なので、ある程度覚悟がいります。点検は5000km毎がいいらしいですが、 私はとてもそのサイクルではやる気になれません。
 プラグの状態でエンジンの調子をおおまかに見分けることができます。 プラグを外してみてガイシ部分の焼け色が白ければ燃料が空気に対して相対的に薄い「焼けすぎ」の状態で、 逆に黒ければ燃料が空気に対して相対的に濃い「くすぶり」の状態です。。 ベストの状態ではキツネ色になります。ただ、大体のバイクでは焼きつきに対するマージンをとるために燃料を不調がでない範囲で ベストの状態より故意に濃くしている場合がほとんどですのでキツネ色に焼けていることは滅多にないようです。
 エンジンが明らかに不調でプラグの焼け色もおかしい(白いor黒い)場合は、 吸気系、排気系、点火系、燃料系のどこかに問題を抱えている場合がほとんどですので考えられる原因を探っていきます。 危険なのは焼け色が白い場合で、そのまま乗り続けるとエンジンブローを引き起こす可能性があります。早急に原因を究明しましょう。
 上記のことを確認した上でまだエンジンの調子が完調でない場合、プラグの熱価があっていないことがあります。 プラグは火花を正常に発生させるために常に点火部分を清潔に保ち続ける必要があるため、 点火部分をある程度高温に保ちカーボンを焼き切るように設計されてます。 プラグは自分自身では発熱しませんが、シリンダー内は非常な高温になるためシリンダー内の温度に対してどのくらい熱を逃がすか、 ということで点火部分の温度を調整します。 熱価というのは、「どのくらい熱を逃がすか」の指標です。熱価は想定温度の範囲が決まっていて、その温度範囲よりも低すぎると カーボンがたまって点火しづらくなり、逆に高すぎるとプラグ自体が高温で溶けてしまったりします。一般的におとなしい乗り方だと シリンダー内の温度が上がりづらいためプラグにカーボンがたまりやすく、逆に激しい乗り方だと温度が上がりやすいため焼けやすくなります。 プラグのガイシ部分の焼け色が黒い(カーボンがたまっている)場合、熱価の想定温度よりもシリンダー内の温度が低いので CR8Eよりも想定温度が低いCR7Eを、白い(焼けすぎている)場合想定温度が高いCR9Eを使用します。 しかし、プラグの熱価を変えるのはあくまでも上で述べた他の部分の問題がクリアされている場合のみにしましょう。 なぜならプラグの焼け色はあくまでも最終的な結果であって、熱価があっていないとは限らないからです。 単にプラグの焼け色がおかしいから他の原因を追求せずに熱価を変える、 というのでは「虫歯が痛いから鎮痛剤を飲む」のと一緒で何ら解決にもならないし、 鎮痛剤を飲み続けてもいずれ虫歯が進行していくのと同じように最終的にはエンジンが壊れてしまうことにもなりかねません。 バイクがノーマルならば乗り方の違いで熱価が合わない、というのは、まれにあることですが考えにくいことです。 他の部分の不具合をよく見極めた上で最後に手をつけましょう。


 まず、タンクをおろします。(タンクはずし)


 バンディットは4気筒なのでプラグも4本交換です。まず、車体左の2気筒から交換しますが、 ちょうど上にかぶさるように配置されたセカンドエアクリーナが邪魔なので、 固定ねじを10mmコンビネーションレンチで外してフリーにしておきましょう。外さないでもできそうならそのままでもかまいません。


 エンジンの上のところについてるのがプラグキャップです。4気筒なので全部で4本ありますが、まずは一番左の1本だけ外します。 これはどのコードがどのプラグについていたか忘れてしまったりしないためです。 プラグキャップはプラグの頭にはめ込んであるだけなので、上に引っ張れば必ず外れます。結構堅いですが、力技で外して下さい。 そのとき、キャップからのびてるほそいコードは持たないで、キャップ本体を引っ張ります。 コードを引っ張ると思わぬトラブルの元になります。外すとプラグが結構深いところにあることがわかります。

 キャップが入っていたエンジンの穴の奥のプラグを16mmプラグレンチで左に回して外しますが、 その前に穴の底にごみがたまっている場合、 プラグを外したときに外した穴からシリンダーの中にごみが入るとトラブルの元になりますので、 掃除機で吸い出すなり水で流すなりしてきれいにしておきます。掃除したらプラグを外します。 熱で多少固着ぎみになってると、とても固いです。
 次に、新品のプラグをプラグレンチにはめて穴の底のねじ穴にねじこみます。工具がかなり入りにくいので頑張って下さい。 新品のプラグは強い衝撃を与えたり、落としたりしないようにします。 それによってギャップが狂うとギャップを調整しなければなりません。 また、ねじ込むときに間違えてはすにねじ込むとエンジン側のねじ山が壊れてヘッド交換か新しいねじ山を作ることになり、 莫大な出費になりますので、いきなり工具でねじ込むのではなく、手回しで締め込んでいきます。 かなり軽く入っていくはずですので、最初からかたかったら一回外してもう一度やり直します。 手で回せないところまでいったら工具で1/4から1/2回転締め付けます。そしてキャップをつけて1気筒終了です。 キャップは「コクン」となるまでしっかり奥までとりつけます。
 同じ手順で左から2番目の気筒のプラグを交換します。


 次は車体右の2気筒を交換しますが、今度はラジエーターのファンが邪魔なので最初にラジエーターの固定ボルトを 10mmコンビネーションレンチで外してラジエーターをフリーにしてから作業します。 外さなくてもできるようであればそのままでかまいません。手順は他のプラグとまったく同じです。

 以上、4気筒交換すれば終了です。ラジエーターを再度取り付け、セカンドエアクリーナを取り付けてタンクを積んだら終了です。

初回作成 2000/06/29
最終更新 2001/04/06